● 聴 講(①42:14、②30:19、③④22:53)
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②
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第16講 国家論
ヘーゲルの革命の哲学は、どこよりも「国家」論に示されているが、
しかし弾圧を逃れるための偽装工作により、真意は覆い隠されている。
真にあるべき「国家』は、「倫理的理念の現実性」であり、
国家と人民とが一体となった治者と被治者の同一性の
実現された人民主権国家である。
それは「普遍性と個別性とが
相互に浸透しあって一体をなしている」国家であり、
「普遍的な法則」、つまりルソーのいう「一般意思」
(人民の真にあるべき政治的意思)が
統治の原理として貫かれている国家である。
人民は人倫的一体性の中で、最高の自由を手にする。
ただし国家に対する人倫的義務を履行することによって、
「個人は解放されて実体的自由を得る」のである。
「最高の共同性は、最高の自由である」。
ヘーゲルの人間解放論は、マルクスのいう
「現実の個別的な人間が、抽象的な公民を自己のうちに取戻し、
・・人間が自分の『固有の力』を社会的な力として認識し
組織し(た)・・ときにはじめて、人間的解放は完成されたことになる」
と共通する。
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