● 聴 講(①44:25、②22:16、③29:58)

 

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第12講 利潤(第3部第1篇)と
     平均利潤(第2篇)

 

「可能性と現実性」「偶然性と必然性」、
恐慌の諸条件としての「事柄」「条件」「活動」に加えて、
「差異」「対立」「矛盾」という哲学的カテゴリーが登場してきました。

これらのカテゴリーを使って、恐慌の必然性が検討されます。
恐慌の第一の抽象的可能性である「購買と販売の分離」が、
資本主義的生産様式のもとで「生産と消費の対立」に転化、
これが恐慌の本質的条件としての「事柄」となります。

この「対立」を「矛盾」にまで高める「条件」が、
第二の抽象的可能性である「支払い手段としての貨幣」が
資本主義的に転化した、
商人資本と信用貨幣による「流通過程の短縮」なのです。

しかしまだ恐慌は具体的可能性にとどまっており、
これを現実性に必然的に転化するのは、
独自の資本主義的生産様式のもとにおける
「競争と信用」という 「活動」(=働き)です。

11講、12講で恐慌の本質論が述べられましたが、
この恐慌の本質が現代において
どのように現象して恐慌の現実性となるのか、
また"不治の病"である恐慌を繰り返す資本主義が
どのように「止揚」されるのか、
第3部のお楽しみというところでしょう。