2005年00月00日 講義
第19講 地代論、諸収入とその源泉、まとめ ①
1.地代論(第6篇)
① 地代論の主題
● 地代は産業利潤の土地所有者への分配
・地代は、差額地代プラス絶対地代
・地代は土地所有の独占から生まれる
● 土地は架空資本
・地代の資本還元から、土地の価格が生まれる
② 差額地代
● 農業では、最劣等地の生産価格が基準となり、土地の豊度のちがいなどにより
差額地代が生まれる
● 差額地代の源泉は、「虚偽の社会的価値」(⑫ 1161 / 673ページ)
――市場価値が総生産物価格を超える
・それを社会全体で負担する
● 差額地代の第二形態→不破「無理な枠組み」
③ 絶対地代
● 絶対地代はどこから生ずるか
・土地独占により、平均利潤の形成に参加しない
・資本の有機的構成が低度
● 土地が国有化すれば絶対地代はなくなる
④ 地代の歴史
● 労働地代―― 経済外的強制が地代を生みだす
● 生産物地代――労働地代と本質は同じ
● 貨幣地代―― 生産物地代の形態変化
● 資本主義的地代――超過利潤の自立化地代をめぐる歴史は、経済的社会構成体
を特徴づけるもの
2.諸収入とその源泉
① 三位一体的定式
● 資本→利潤 土地→地代 労働→労賃 をと三つの異なる源泉から生まれるとする
俗流経済学
● 物神崇拝の生成 ・発展
1)剰余価値の生産は、「資本に属する諸力」
2)剰余価値は流通過程から生まれる
3)剰余価値は企業者利得と利子とに分割
4)剰余価値の地代への転化
→物神崇拝の完成態が俗流経済学の三位一体的定式となってあらわれる
● 古典派経済学は、すべてを剰余価値から説き起こしながら、中途半端
② 分配諸関係と生産諸関係
● 三位一体的定式は、社会構成体を、分配関係からとらえようとするもの
● 分配関係と生産関係とは、どのような関係にあるのか
・生産様式を規定するのは「社会的生産諸力」(⑬ 1536 / 885ページ)
・生産諸力はそれに対応する生産諸関係と分配諸関係とを生みだす
・生産力と生産関係 ・分配関係の矛盾は、「危機の時代」の到来をつげる
③ 諸階級
● 労働力の所有者、資本の所有者、土地所有者という生産諸関係とそれに対応す
る分配諸関係が、三大階級を構成する
● 社会の諸階級を規定する最大の要素は、生産諸手段を誰が持っているかという
生産諸関係にある
● レーニンの階級区分
1)社会的生産の体制のなかで占める地位
2)生産手段にたいする関係
3)社会的労働組織のなかでの役割
4)社会的富の分け前を受けとる方法と分け前の大きさ
●「これまでのすべての社会の歴史(原始共同体を除いて)は、階級闘争の歴史
である」(共産党宣言)
3.まとめ ①
① 具体的普遍
● 資本主義的矛盾は止揚されて、社会主義 ・共産主義に
・では、資本主義の基本矛盾とは何か
・基本的矛盾が展開して、具体的矛盾に
● 具体的普遍としての概念
・具体的普遍は抽象的普遍と異なり普遍、特殊、個別の三つのモメントをもつ
・概念は自らを展開し、特殊化して個別となる――個別のなかで概念の同一性
は貫かれる
・概念は「真に最初のもの」
→資本主義的生産様式の「真に最初のもの」としての矛盾とは何か
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