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「資本論」の弁証法

本講座をもとにした書籍『「資本論」の弁証法』は、音声ファイルを聞きながら20の講義と連動した章立てでお読みいただくことはもちろん、単体の書籍としての通読も可能です(この講座に関しては、本文のファイルはTXTではなくPDFとなります)。

以下のもくじのリンクから、それぞれのページをお読みください。

 

<も く じ>

 

第一講 なぜいま「『資本論』の弁証法」か

 『資本論』とは何か/現代において『資本論』を学ぶ意義/弁証法とは何か/なぜ「『資本論』の弁証法」なのか/弁証法は『資本論』の生命の源/『資本論』と弁証法を共に学ぶ

 

第二講 資本の生産過程(第一部)

一、経済学の方法と『資本論』全三部の概要

 経済学の方法/『資本論』全三部の概要

二、「商品と貨幣」(第一篇)

 商品の使用価値と価値/商品と貨幣の分離・対立/貨幣と恐慌の可能性

 

第三講 資本とは何か

一、「貨幣の資本への転化」(第二篇)

 商品流通と資本の流通/資本の本質は剰余価値の生産/量から質への転化

二、「絶対的剰余価値の生産」(第三篇)

 剰余価値はどこから生まれるのか/労働力という商品/労働過程/価値形成過程(価値増殖過程)/ 剰余価値生産の秘密/制限と当為の弁証法/労働日の延長/標準労働日を求める階級闘争

 

第四講 剰余価値の増殖(搾取の強化)

一、剰余価値増殖(搾取強化)の方法

 絶対的剰余価値と相対的剰余価値/労働強化による絶対的剰余価値と相対的剰余価値の統一

二、「相対的剰余価値の生産」(第四篇)

 必要労働時間の短縮は、個別資本では解決しえない/なぜ個々の資本家は生産力の発展に駆り立てられるのか/生産力の発展は労働日を短縮しない

三、独自の資本主義的生産様式の確立

 協業/マニュファクチュア

 

第五講 資本主義とは何か

一、機械とは何か

 産業革命とは何か/機械とは何か

二、機械制大工業は「独自の資本主義的生産様式」

 労働の実質的包摂/工場とは何か

三、機械の労働者に及ぼす「一般的反作用」

 機械の及ぼす五つの反作用/機械制大工業の弁証法/機械制大工業の社会全体への影響

四、「絶対的および相対的剰余価値の生産」(第五篇)

 絶対的剰余価値と相対的剰余価値の関係/相対的剰余価値の生産が「独自の資本主義的生産様式」を形づくる

五、資本主義とは何か

 生産様式とは何か/独自の資本主義的生産様式/資本主義とは何か

 

第六講 労賃、資本の蓄積過程

一、「労賃」(第六篇)

 労賃とは何か/労賃の国民的相違/労賃は搾取を隠蔽する

二、「資本の蓄積過程」(第七篇)

資本の蓄積とは何か/単純再生産/商品の生産、交換法則から資本主義的取得法則への弁証法的転換/資本の蓄積は資本家の個人的趣向の問題か/資本の蓄積は資本の本質から生まれる

 

第七講 資本蓄積の絶対的・一般的法則

 産業予備軍の形成/資本主義的蓄積の一般的法則/第一部「資本の生産過程」の弁証法・まとめ/本源的蓄積/否定の否定――社会主義・共産主義への移行の必然性

 

第八講 資本の流通過程(第二部)

一、はじめに

 第一部から第二部へ/『資本論』第三部から

二、第二部の主題と構成

 第二部の主題/第二部の構成

三、「資本の諸変態とそれらの循環」(第一篇)

 産業資本/三つの資本形態の循環/資本の総循環からみた資本の制限と当為

四、資本の作用度の増大

 限界の弁証法/資本の循環上の制限と当為/生産過程と流通過程の限界

 

第九講 資本の回転

一、「資本の回転」(第二篇)

 はじめに/剰余価値の年率

二、固定資本と流動資本

 固定資本、流動資本とは何か/固定資本と流動資本の区別を論ずる意義/「固定資本と流動資本」の学説史

三、資本の回転上の制限と当為

 資本の生産・流通上の制限と当為/資本の回転における前貸し資本の制限と当為/資本の回転のもたらす仮象

四、剰余価値の流通

 剰余価値分の流通に必要な貨幣はどこから生じるか/剰余生産物の買い手はいるのか

 

第一〇講 社会的総資本の再生産と流通

一、「社会的総資本の再生産と流通」(第三篇)

 第三篇の主題/社会的総資本の運動とは何か

二、社会的再生産の学説史

 再生産論のポイント/ケネーの再生産論/スミスの再生産論/マルクスのスミス批判

三、再生産表式

 単純再生産表式/拡大再生産表式

四、再生産表式の意味するもの

 

第一一講 恐慌論 ①

一、恐慌論の弁証法的カテゴリー

 恐慌の弁証法/可能性と現実性/偶然性と必然性/根拠(原因)と帰結(結果)

二、マルクスの恐慌論

 恐慌の抽象的可能性/恐慌の具体的可能性/恐慌の可能性から現実性へ

 

第一二講 恐慌論 ②

 差異・対立・矛盾/恐慌の「事柄」――「生産と消費の対立」/恐慌の「条件」――支払い手段としての貨幣の対立から生まれる「生産と消費の矛盾」/恐慌の「活動」――競争と信用のもたらす「生産と消費の矛盾」の蓄積/恐慌――「生産と消費の矛盾」の一時的・暴力的解決/恐慌論のまとめ

 

第一三講 資本主義的生産の総過程(第三部)

一、第三部の主題と構成

 第三部の主題/第三部の構成

二、「剰余価値の利潤への転化、および剰余価値率の利潤率への転化」(第一篇)

 利潤は剰余価値の現象形態/利潤増大のための資本の制限と当為

三、「利潤の平均利潤への転化」(第二篇)

 問題の提起/平均利潤率の形成/価値法則から一般的利潤率への歴史的移行/独占資本の成立と一般的利潤率

 

第一四講 一般的利潤率の傾向的低下の法則

一、価値法則と一般的利潤率

 「本質としての価値法則」と「現象としての一般的利潤率」/均等化のための競争/価値法則は現象する

二、「利潤率の傾向的低下の法則」(第三篇)

 利潤率の傾向的低下の法則とは何か/なぜ低下の法則は資本主義に「特有な表現」なのか/低下の法則における利潤総量と利潤率の対立/国家独占資本主義/一般的利潤率低下の制限と当為

 

第一五講 一般的利潤率低下の法則とその内的矛盾の展開

 第一五章の位置づけ/「この法則の内的諸矛盾」とは何か/矛盾の展開①――資本の集中と貧困の蓄積との矛盾/矛盾の展開②――世界的規模での生産と消費の矛盾の拡大/矛盾の展開③――資本の過剰と労働力の過剰の矛盾/矛盾の帰結――生産力と生産関係の矛盾/以上の要約/ 「資本主義的生産の真の制限」は資本の利潤第一主義/資本主義の歴史的制約性

 

第一六講 商人資本、利子生み資本 ①

一、「商人資本」(第四篇)

 商人資本とは何か/商業利潤の源泉/貨幣取引資本/商人資本、高利資本はなぜ古い資本様式なのか/独占資本主義段階の商人資本

二、「利子生み資本」(第五篇)

 はじめに/利子生み資本とは何か/利潤の量的分割から質的分割へ/資本家は不要になる/まとめ

 

第一七講 利子生み資本 ②

一、信用論の主題と構成

二、信用制度とは何か

 信用とは何か/商業信用とは何か/銀行信用とは何か/銀行資本の発展/管理通貨制度とは何か/国際的為替相場の不安定性/金融市場とは何か

三、信用制度下のマニイド・キャピタルの架空性

 現実資本と架空資本/実体性と偶有性

 

第一八講 利子生み資本 ③

一、マニイド・キャピタルの架空性

 商業信用とマニイド・キャピタル/銀行信用における預金と銀行券の架空性/有価証券の架空性/マニイド・キャピタルの大部分は架空資本

二、マニイド・キャピタルと実体経済

 株式制度の二面性/バブル経済と恐慌の不可避性/過剰投機と「カジノ資本主義」

三、信用制度のもとでの資本主義的生産様式の制限と当為

 「資本所有の潜在的止揚」/信用制度は資本主義的生産様式を「潜在的」に止揚する

 

第一九講 地代論、諸収入とその源泉

一、「超過利潤の地代への転化」(第六篇)

 地代は土地の独占から生まれる/差額地代/絶対地代/地代の歴史

二、「諸収入とその源泉」(第七篇)

 三位一体的定式/分配諸関係と生産諸関係/諸階級/現代日本の階級闘争

 

第二〇講 まとめ

一、弁証法的方法

二、社会発展の根本矛盾

三、矛盾の展開

 「端初」――資本そのもの/「進展」①――資本主義の基本矛盾/「進展」②――基本矛盾の展開/「終結」――社会主義・共産主義

  

あとがきにかえて

 

 

◆ 本書の利用にあたって ◆

一、『資本論』からの引用は、社会科学研究所監修、資本論翻訳委員会訳(新日
  本出版社、新書版全一三冊 により、卷数とページ数のみを示している。原書
  ページも併記したので、大月書店全集版、同普及版などでも該当箇所を探す
  ことができる。
一、古典の引用は、原則として『マルクス・エンゲルス全集』『レーニン全集』
  (大月書店)によっている。
  マルクス・エンゲルス全集からの引用は「全集」と略記した。『剰余価値学
  説史』『共産党宣言』『哲学ノ ート』『自然の弁証法』は国民文庫(大月書
  店)、『「経済学批判」への序言・序説』『反デューリング論』『空想から
  科学へ』は古典選書(新日本出版社)のページ数を併記した。
一、『資本論草稿集』(大月書店)からの引用は、単に「草稿集」として巻数と
  ページ数のみを示した。
一、不破哲三著『「資本論」全三部を読む』(全七冊、新日本出版社)からの引
  用は、著書名を省略し冊数とページ数のみを示した。