● 聴 講(①49:50、②29:22、③28:55)

 

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第15講 概念論 ③

 

※講座で配布されるペーパーから

「推理」とは、
既知のものから未知のものへの認識に到達するための思惟形式です。

その推理には「形式的な悟性推理」と、
具体的普遍としての概念が判断における諸モメントの分割から回復し、
概念の統一性を回復する「理性推理」があります。

ヘーゲルは悟性的推理には真理はなく、
あらゆる事物の普遍的形式である理性的推理のみが真理を含んでいる
と考えます。

すべて現実的なものは、
特殊性をつうじて個と結合された普遍として存在している理性的なものであり、
こういう「あらゆる事物の普遍的形式」をとらえるのが推理であると
ヘーゲルはいいます。

「イ 質的推理」(定有の推理)は悟性推理であり、
その欠陥を補うために三重の推理に進み、
「ロ 反省の推理」(演繹、帰納、類推)
「ハ 必然性の推理」(定言的推理、仮言的推理、選言的推理)へと
進展します。

反省の推理は理性推理ではありますが、その真理性に制約があり、
必然性の推理は、真理性は担保される反面、
新しい真理を発見する可能性の少ない推理です。

概念の判断に対応する「概念の推理」に論及されてない点を問題提起されて、
主観的概念の講義は終わり、次回から客観に入っていきます。