● 聴 講(①49:19、②34:16、③33:27)

 

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第5講 人間疎外論

 

マルクスは、人間の本質が損なわれることを「人間疎外」とよんでいる。
その源流となったのは、ルソーの「人間不平等起原論」や
ヘーゲルの人格疎外論、さらにはフォイエルバッハの宗教的疎外論。

これらの主張をふまえ、マルクスは人間の類本質、搾取による人間疎外、
搾取と階級のない社会主義による人間解放論を展開。
すなわち、人類史の99%以上を占める原始共同体を通じて、
人間はその類本質を形成。

生産力の発展により階級社会に突入し、搾取による人間疎外が始まる。
資本主義社会では、搾取により「自由な意識」と「共同社会性」が
疎外されているだけではなく、すべては金銭的価値に置き換えられ、
人間的価値は否定されている。

さらに階級社会では、階級支配の機関としての国家が誕生することにより、
支配階級の搾取と国家による抑圧という二重の疎外を蒙ることになる。

人間は二重の疎外から類本質の回復を求めて、
人間解放の階級闘争に立ちあがっていく。