● 聴 講(①47:55、②35:54、③16:51)

 

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第9講 科学的社会主義の哲学 ②
     ──弁証法

 

人間は哲学をつうじて、
真理認識の方法(思惟形式)を探求する長い歴史のなかで、
形式論理学と弁証法的論理学という2つの論理学を確立してきた。

形式論理学とは、認識の対象となるものを、他のものから区別して、
しっかり、はっきり確固としたものとしてとらえる論理学であり、
「いわゆる常識の考え方」である。
しかし確固としてとらえようとするあまり、
すべての事物は運動変化しているにもかかわらず、
それに目をふさぎ、固定した、個々ばらばらのものとしてとらえる
一面性を持っている。

これに対し弁証法は、客観的事実をあるがままに、
つまり静止と運動の統一、自立と連関の統一としてとらえる。

したがって、弁証法は形式論理学を包摂し、
形式論理学の一面性を克服して、事実を全面的に認識する。

ヘーゲルは、哲学史の研究をつうじて
弁証法を対立物の統一として定式化した。
マルクス、エンゲルスは、それを唯物論的に仕上げようとしたが、
果たせなかった。