2017年月日 講義
第２講 自我の目覚め
１．人間の成長と社会脳● 自然的存在から社会的存在に ・生まれたときは自然的存在 ・母に育てられ、家族の中で成長し、学校に行って友人を見つけ、教養を身 ・人間とチンパンジーのDNAは１％の違い。しかしチンパンジーは社会をも ・「社会そのものが人間を人間として生み出すように、社会もまた人間によ ・自然的存在から、次第に広い環境を与えられ、社会的存在であることを自 ・人間は社会的存在であることによって、その脳のうちに社会的意識を生み ・社会脳が損なわれると、他人の気持ちが理解できなくなり、社会生活がう ・認知症というのは、社会脳（人とうまくやっていくための脳）の機能障害 ・社会脳は人間に特有な「自己意識」から生まれる ● 意識から自己意識に ・出生後の脳の重さは約400gであり、４、５才頃には1200gとなり、１８才 ・４、５才頃までの意識は他の動物と同じように、もっぱら自己の目で他者 ・「自己意識」が社会脳であり、大人の脳になって自己意識も完成する
２．社会脳としての自己意識● １８才は自己意識完成の時期 ・社会人として足を踏み出す１８才は、自己意識が完成する時期 ・自己意識の完成によって自我に目覚め、自分の人生をどう生きれば良いの ・そこに青年期独特の役割があり、この役割に答えるのが労学協の労働学校 ・労働学校は世界観を模索する青年にとって不可欠の存在 ● 自己意識は自己と他者との関係を意識する ・自己意識は、自己が多数の人間の存在する人間社会の一員であることを知 ・そのなかで人間は社会的存在であり、は自己と他者とが共存する関係であ ・いわば、自己も人間、他者も人間であることを知る ・自己意識から、すべての人間は人間として自由であり、平等であり、相互
３．個人の尊厳は人間の本質● 個人の尊厳の由来 ・野党共闘をめぐって、個人の尊厳をふまえた共闘が強調されている ・個人の尊厳の出発点は、アメリカ独立宣言 ・個人の尊厳を守るために政府が組織され、政府がその目的を損なうときに ・個人の尊厳は「すべての人は平等に造られ、造物主によって、一定の奪い ・フランス革命は自然権思想にもとづき「自由・平等・友愛」を個人の尊厳 ・つまり個人の尊厳とは、人間が人間らしく生きる憲法以前の包括的な権利 ・しかし個人の尊厳の根拠は、観念論的な「造物主」でも、「自然権」でも ● 個人の尊厳は人類の歴史がつくり出した人間の本質の１つ ・700万年の人類の歴史が、人間の本質としての個人の尊厳をつくりだした ・エンゲルス『家族、私有財産および国家の起源』（全集㉑）で原始共同体 ・氏族全員で協議し、代表を選び解任するという、相互の援助、保護の社会 ・「自由・平等・友愛は、定式化されたことは一度もなかったが、氏族の根 ・つまり、個人の尊厳は人類の長い歴史がつくり出した、人間らしく生きる ● 人間の本質とその疎外との対立・矛盾 ・人類は、約１万年前に農耕・牧畜により階級社会に ・階級社会のもとで、人間らしく生きる権利を奪われ、人間疎外に ・人間はその脳内で個人の尊厳（本質）と人間疎外（現象）との対立・矛盾 ・フランス革命では、絶対主義的封建制の人間疎外に対して、「自由・平等 ・個人の尊厳という人間の本質が、「理念（真にあるべき姿）」として、脳 ・人間の本質とその疎外との対立・矛盾が、青年期に固有の悩みとしての 「
４．マルクスの人間論● 自我の目覚めによって、自己のうちに対立・矛盾が生まれる ・１人は「現にある」自己であり、もう１人は人間の本質をもった「真にあ ・現にある自己と真にあるべき自己との矛盾・葛藤のうちに、青年は苦しむ ・それが、どう生きるべきかという青年期の固有の悩みとしての「自我の目 ● マルクスの人間論 ・マルクスは敏感に自我の目覚めを感じとる ・それが、へーゲル哲学を乗り越えようとした『へーゲル法哲学批判』（ ・来たるべきドイツ革命の理論は「人間そのもの」（同422ページ）にあり、 ・「人間をいやしめられ、隷属させられ、見すてられ、軽蔑された存在にし ・そこには、人間の本質、その疎外、疎外からの人間解放という革命の三段 ・直後の『1844年の経済学・哲学草稿』（全集㊵）で、人間解放とは「人 ・それ以後『資本論』をつうじて人間疎外を解明し、人間解放の道を明らか ・『資本論』（④）で人間疎外を「貧困、労働苦、奴隷状態、無知、野蛮化、 ・エンゲルスは、マルクスを引きつぎ、資本主義から社会主義への移行を「 ・マルクスの人間の本質、疎外、人間解放という３段階の人間論のもとに、
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