2017年5月20日 講義
第3講 言語は人間の心をつくり出す
1.人間の言語● 人間言語の特殊性 ・動物のコミュニケーションは、「いま、ここ」の「このもの」に限定して、 ・これに対して人間の言語は、その普遍性、抽象性により時間・空間の制限 ・大脳の左半球に「ブローカー野」と「ウエルニッケ野」とよばれる言語領 ・人間は言語機能をもつことで、人間となり人間の心をもつことになる ● 人間は2つの世界をもっている ・1つは、すべての動物がもつ現実的・物理的な自然環境の世界(海・山・ ・もう1つは、労働と言語によってつくり出された象徴的な人間社会 ・労働は、人間と自然との関係を媒介し、言語は、人間と人間との関係を媒 ・労働と言語は人間社会をつくり出す ● 2つの世界は別個の法則をもつ ・物理的世界は、147億年の歴史をつうじて独特の物理的法則を生み、人間 ・人間社会は約1万年前に階級社会に突入し、人間の社会脳は、支配階級の ・言語そのものが、階級的利害によって2分され、階級闘争のうちにおかれ
2.階級社会の言語・人間は言語をあやつることで人間の心をもつ ・支配階級という人間の心と被支配階級という人間の心 ・言語はその抽象性により、2つの心を社会的に生みだす ・支配階級の心は人間疎外が中心、被支配階級の心は人間の本質が中心 ・支配階級は、その権力で被支配階級を打ち負かし、階級支配を貫く ・「支配的階級の諸思想は、どの時代でも、支配的諸思想である。すなわち、 ・支配階級の心は、人間疎外の言語であるにもかかわらず、「支配的諸思想」 ・階級社会においては、「人間の言葉はわれわれには通用せず、何の役にも立 ・「われわれはたがいにすっかり人間的本質から疎外されているために、人間 ・私たちは、真実は支配階級のもとではなく、被支配階級の言葉のうちにある ・被支配階級の心を訴えるのが「真実を報道する」しんぶん赤旗 ・しんぶん赤旗をどれだけ広げるかは、言語をめぐる階級闘争に勝利する手段
3.人間の良心・支配階級の人間疎外の言語は、階級闘争によって打ち負かされる必然性をも ・というのも人間には「良心」があるから ・憲法19条は「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない」と規定し、 ・人間には良心があるから、良心に反する行為をおこなうと、心のうちに疚し ・良心の存在することは肯定されながら、現代の脳科学で良心の触れたものな ・良心とは、人間の本質を理念としてとらえたもの ・日常の生活のなかでは、人間疎外を経験するのみだが、そのなかでぼんやり ・つまり良心とは、人間が本質としてもっている個人の尊厳を理念として明確 ・言いかえると、良心とは被支配階級がもっている人間の心 ・被支配階級は、良心という理念にもとづいて階級的団結の手を広げていく
4.良心と理性・人間には変革の意識としての理性がある ・問題は、何を変革の理念として掲げるのかにある ・支配階級の理性は、いかに利潤をあげるかという理念にとどまる ・被支配階級の理性は、個人の尊厳を実現しようとする良心を理念とする ・被支配階級の理性は良心と結びつき、理性と良心の統一によって階級闘争の ・史的唯物論では、これまでの人類の歴史は「階級闘争の歴史であった」(全 ・つまり被支配階級は最終的に階級闘争に勝利することによって、次の社会の ・史的唯物論が被支配階級は階級闘争に勝利すると規定する理由 ・被支配階級の数が圧倒的 ・被支配階級は真理と真実を語る言語をもつ ・「成功の1つの要素を労働者はもちあわせている―人数である。だが、人数 ・「知識によってみちびかれる」とは、被支配階級がもっている真理と真実を ・その「知識」が良心 ・人間の本質にもとづく良心と理性の結合 ── 人間の本質は最も奥深いとこ
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