講座の紹介

 

時代を哲学する Ⅱ

全12講

 

 

 

2019年10月から全12講が行われた本講座の説明として、受講生募集チラシに掲載された高村講師の案内文を転載します。

 

1年間の哲学講座「時代を哲学する」が、7月で終わりました。その時々の私たちが直面する時代を代表する問題を中心に、受講生の皆さんと一緒に議論し、哲学的に解明しようという企画でした。第1回は、ベストセラー『君たちはどう生きるか』を取り上げ、そこから人間の生き方の問題を中心にしながら、最後は、日本を変えるために何をすべきなのかを、3回にわたってお話ししました。おかげさまで好評でしたので、引き続き10月から1年間の予定で、「時代を哲学する Ⅱ」を開催いたします。

今回は、パート Ⅱ ですので、前回と同様、時代を代表する問題を取り上げ、皆さんと一緒に考えていきたいと思いますが、講師自身の関心事を哲学的に一歩深めてお話しするという形で進めていこうかと考えています。
 ということで、第1回、第2回し「戦争と平和」をテーマとします。アベ内閣のもとで、いよいよ9条をめぐる攻防が山場を迎えようとしています。どうして労働者階級は平和の問題に取り組むことになったのかを皮切りに、戦争と平和をめぐる階級闘争は、どういう局面に達しているのか、日本を含む東アジアの平和をどう考えるべきか、などを考えてみたいと思います。第3回、第4回は「自由と平和」です。私たちは、なぜ人間解放の未来社会を「自由で平等なアソシエーション」として理解しているのか、資本主義では「自由と平等」概念は、どのような階級対立を示し、相対的真理から絶対的真理に接近しようとしているのかなどを論議したいと考えています。

その後は、20世紀後半からの認知科学の発達を踏まえて、人間の脳は「事実と価値」をどの関連させてとらえているのかを取り上げ、つづいて「理想と現実」とは統一されるのか否か、私たちは未来社会に向けて、「生産手段の社会化と個人の全面的発達」をどう考えるべきなのか、などを考えているところです。受講生の皆さんからのテーマの申し出も受けたいと思います。

当時の募集チラシ(PDF)