講座の紹介

 

21世紀の
科学的社会主義を
考える

全20講

受講テキスト:なし

 

本講座は同タイトルで2011年に
書籍化されています。

● もくじを読む(txt

● 「はじめに」を読む(txt

● 「まとめにかえて」を読む(txt

 

 

2010年5月から2011年12月まで全20講が行われた本講座の紹介に代えて、講義内容を書籍化した『21世紀の科学的社会主義を考える』の第一講、本文冒頭を転載します(漢数字は算用数字に変換)。

 

本講座は「21世紀の科学的社会主義を考える」と題して開催されます。広島県労学協は「科学的社会主義の立場」(会則)にたって、その「基礎理論、内外の政治・経済情勢の特徴などを教育・普及することを目的」(同)としています。

では「科学的社会主義とは何か」といわれれば、それほど自明なものではありません。一般的には、マルクス、エンゲルスによって発見された史的唯物論と剰余価値学説の二大学説によって、未来社会としての社会主義を空想的なものから科学的な土台のうえにすえた社会発展の理論であり、その後1世紀半にわたる全世界の人民のたたかいによってより豊かにされた開かれた学説と運動であるということができます。

しかし19世紀のマルクス、エンゲルスにとってたんに理論上の存在でしかなかった社会主義は、20世紀において実践的課題となってきました。1917年のロシア革命により、人類史上はじめて社会主義をめざしたソ連が誕生したのをかわきりに、20世紀全体をつうじて東欧、アジア、ラテン・アメリカなど一時は世界の人口の3分の1が社会主義をめざす諸国で生活しているという状況が生まれました。

ところが1989年東欧諸国、91年ソ連の崩壊がおこり、一時は「社会主義崩壊論」と「資本主義勝利論」の大合唱が世界中を席巻しましたが、それからわずか17年後の2008年世界経済危機により、逆に「資本主義限界論」がマスコミを騒がすことになりました。

こうして21世紀は、20世紀の壮大な社会主義の実験をふまえ、あらためて科学的社会主義とは何かが問われる世紀となっているのです。 →続きを読む