ブックカバー

21世紀の科学的社会主義を考える

本講座をもとにした書籍『21世紀の科学的社会主義を考える』は、音声ファイルを聞きながら20の講義と連動した章立てでお読みいただくことはもちろん、単体の書籍としての通読も可能です。

以下のもくじのリンクから、それぞれのページをお読みください。
書籍化にあたり講義の題名が変更され、レジュメおよび音声講義と異なっているものがありますが、講義内容は同じです。

 

<も く じ>

はじめに

 

第一講 「二一世紀の科学的社会主義を考える」とは何か

  一、本講座の目的
     二〇世紀の社会主義の実験をふまえて科学的社会主義を考える/科
     学的社会主義は人類にロマンと希望をもたらす学説

  二、科学的社会主義を二〇世紀の教訓に学び根本からつかみ直す
     科学的社会主義は真理探究の「全一的な世界観」/科学的社会主義
     は開かれた発展する学説/科学的社会主義を二〇世紀の社会主義の
     総括のうえに根本からつかみ直す

  三、本講座の三つのテーマ
     人間論/弁証法的唯物論の定式化/社会主義論/本講座の概要

 

第二講 社会主義思想の誕生

  一、科学的社会主義の誕生
     科学的社会主義の中心思想は社会主義論/なぜ一九世紀前半に社会
     主義思想が広まったのか/社会主義思想はフランス革命の「第二幕」
     としてヨーロッパ中に広がる

  二、フランス、イギリス、ドイツの社会主義・共産主義
     イギリスは経済的に、フランスは政治的に、ドイツは哲学的にフラ
     ンス革命のなかから生まれたバブーフ共産主義/イギリスのチャー
     ティスト運動から生まれた共産主義/ドイツ古典哲学から生まれた
     共産主義

  三、科学的社会主義は人間解放の学説
     科学的社会主義はフランス革命の精神の真の継承・発展者/科学的
     社会主義は人間解放の学説

 

第三講 日本における科学的社会主義の誕生

  一、日本における社会主義思想の誕生
     自由民権から社会主義へ/「平民社」による社会主義運動の開始

  二、自由民権運動の継承・発展としての日本共産党の創立
     日本共産党の創立/「綱領草案」の審議/「二七年テーゼ」/民主
     主義革命をめぐる「講座派」と「労農派」との論争/三一年「政治
     テーゼ草案」/「三二年テーゼ」/まとめ

 

第四講 人間とは何か

  一、マルクスの人間論
     人間を「人間にとっての最高の存在」に/終生の人間論の探究

  二、人間とは何か(人間の類本質)
     人類の発生史が人間の類本質を形成する/人間の類本質① ──「自
     由な意識」/人間の類本質② ──「共同社会性」/人間の類本質③
      ── 「人間的価値」

  三、人間の類本質を示した原始共同体

  四、マルクスの人間解放論
     マルクスは人間の本質論を放棄したか/階級闘争は疎外からの人間
     解放を求める運動

 

第五講 人間疎外論

  一、人間疎外とは何か

  二、マルクスの人間疎外論の源流
     ルソーの人間の本質論/ヘーゲルの人格疎外論/フォイエルバッハ
     の宗教的疎外論/マルクスの人間疎外論

  三、人間疎外論
     類本質の形成/搾取と階級による人間疎外/ウェーバーの価値自由
     論批判/国家による人間疎外/人間疎外と階級闘争


第六講 資本主義社会の人間疎外

  一、資本主義社会の搾取の特徴
     ブルジョア社会の二義性/市民社会は資本主義社会

  二、市民社会はなぜ資本主義社会なのか
     自由・平等な商品交換から搾取が生まれる/平田清明「市民社会論」
     批判

  三、現代日本における人間疎外
     新自由主義型国家独占資本主義/極限状態の人間疎外

 

第七講 人間解放論

  一、科学的社会主義は人間解放の真のヒューマニズムの学説
     人間解放の社会主義・共産主義/社会主義・共産主義は「成就され
     たヒューマニズム」

  二、アソシエーション
     ルソーの「社会契約国家」/人民による政治は人民の権利であると
     同時に義務/人間解放の社会は個と普遍の統一したアソシエーショ
     ン

  三、経済的アソシエーション
     コンバインドな労働とアソシエイティッドな労働/自由で平等な生
     産者のアソシエーション

  四、政治的アソシエーション
     階級支配の機関としての国家の揚棄/「人民のための政治」の実現
     には導き手が必要

  五、人民の導き手としての科学的社会主義の政党
     労働者階級の解放と人民の解放/パリ・コミューンこそ「プロレタ
     リアート執権」/科学的社会主義の政党の主導性のもとでの人民主
     権/哲人政治

  六、科学的社会主義は人間を「最高の存在」とする真のヒューマニズムの
    学説

 

第八講 科学的社会主義の哲学 ① ──弁証法的唯物論

  一、弁証法的唯物論は真理認識の思惟法則
     哲学と経験諸科学の同一と区別/唯物論と観念論/真理とは何か/
     事実の真理と当為の真理

  二、弁証法的唯物論は事実の真理と当為の真理を統一する
     弁証法的唯物論はまず事実の真理を認識する/弁証法的唯物論は客
     観世界の当為の真理を認識する/ウェーバーの二元論批判/弁証法
     的唯物論は客観世界の当為の真理をとらえ実現する革命の哲学/弁
     証法的唯物論は人間に関する当為の真理を認識する

 

第九講 科学的社会主義の哲学 ② ──弁証法

  一、弁証法は哲学史の総括から生まれた
     弁証法は二千五百年の哲学史の総括から生まれた真理認識の方法/
     ギリシア哲学と弁証法/近代の自然科学の発展と形式論理学/ドイ
     ツ古典哲学による弁証法の復活

  二、マルクス、エンゲルスの弁証法
     ヘーゲルは観念論者か/マルクス、エンゲルスの弁証法定式化の試
     み

  三、レーニンの弁証法
     レーニンの弁証法定式化の試み/レーニンの弁証法定式化は未完成

  四、弁証法的唯物論の定式化
     弁証法的唯物論の定式化は体系化ではない/弁証法的唯物論の定式
     化のための諸課題

 

第一〇講 科学的社会主義の哲学 ③ ──弁証法的唯物論の定式化

  一、弁証法の基本法則
     ヘーゲル『小論理学』に学ぶ/客観的弁証法と主観的弁証法の同一
     と区別

  二、客観的弁証法
     真理認識の第一歩は悟性的認識/真理認識の第二歩は悟性的認識の
     否定/差異と対立/真理認識の第三歩は対立物の統一/対立物の自
     立的統一と媒介的統一/対立とは矛盾である/対立物の相互浸透と
     対立物の相互排斥/矛盾の揚棄/矛盾の揚棄と否定の否定/弁証法
     は分析と総合の統一

  三、主観的弁証法
     主観的弁証法は当為の弁証法/客観変革の弁証法/世界観の弁証法
     /価値観の弁証法

  四、エンゲルスとレーニンの弁証法の検討

 

第一一講 科学的社会主義の哲学④ ──史的唯物論

  一、史的唯物論とは何か
     史的唯物論は人間社会と歴史研究の「導きの糸」/史的唯物論は生
     きている人間から出発する/人民のたたかいが歴史をつくる/土台
     と上部構造およびその相互作用

  二、資本主義社会の基本矛盾
     生産力と生産関係の矛盾による社会発展/「生産力と生産関係の矛
     盾」と「社会的生産と資本主義的取得」の矛盾との関係/リーマン
     ・ショックにみる基本矛盾とその現象形態

  三、「ネオ・マルクス主義」批判
     「ネオ・マルクス主義」の「国家論」批判/「ネオ・マルクス主義」
     の「階級還元主義」批判

  四、その他の史的唯物論批判の批判
     「反人間中心主義」批判/「階級闘争批判」の批判/「社会発展論」
     批判の批判/「個人の尊厳否定論」の批判

  五、階級闘争は真のヒューマニズムの運動

 

第一二講 科学的社会主義の社会主義論

  一、社会主義論は科学的社会主義の中心的課題
     社会主義とは何か/資本主義の矛盾の解決としての社会主義

  二、社会主義の三つの基準① ──生産手段の社会化
     社会主義的変革の中心課題は生産手段の社会化/経済的アソシエー
     ション/生産手段の社会化は生産力を発展させうるのか

  三、社会主義の三つの基準② ──社会主義的な計画経済
     利潤第一の生産から国民のくらし第一の生産に/計画経済は市場経
     済を否定しない

  四、社会主義の三つの基準③ ──「プロ執権」
     「プロ執権」は「人民のための政治」を実現する民主共和制/「プ
     ロ執権」は共産党の一党支配を意味するものではない/「プロ執権」
     は直接民主主義と間接民主主義の統一

 

第一三講 レーニンの社会主義

  一、レーニンの社会主義
     十月社会主義革命/レーニンの社会主義からスターリンの「ソ連型
     社会主義」へ

  二、レーニンの生産手段の社会化
     生産手段の国有化/全人民的な記帳と統制

  三、レーニンの社会主義的な計画経済
     上からの中央集権的な計画経済/ネップへの転換

  四、レーニンの「プロ執権」
     レーニン流「執権論」/ソビエト=「プロ執権」/レーニン流「執
     権論」と民主主義

  五、レーニン流「執権論」の展開
     コミンテルンの加入条件としての「プロ執権」論/人民主権の否定
     /民主主義の戦術的、一時的利用/レーニン流「執権論」と官僚主
     義

 

第一四講 「ソ連型社会主義」の建設と崩壊 ①

  一、スターリンによる「ソ連型社会主義」の建設

  二、スターリンの生産手段の社会化
     強制的農業集団化/生産手段の社会化が人民抑圧の手段に/「警察
     支配」による自由と民主主義の抑圧

  三、スターリンの計画経済
     極度の中央集権的指令経済/官僚主義防止の手段/「新しい階級」
     の形成

  四、スターリンの「プロ執権」
     スターリンによるレーニン流「執権論」の誤りの拡大/一党支配の
     形式のもとでの「新しい階級」の支配

  五、スターリンの覇権主義
     国内的専制主義と対外的覇権主義/第二次大戦中の覇権主義

  六、「ソ連型社会主義」の源流はレーニン流「執権論」

 

第一五講 「ソ連型社会主義」の建設と崩壊 ②

  一、人民民主主義共和国の誕生

  二、スターリンによる「ソ連型社会主義」の押しつけ
     ソ連の覇権主義の道具としてのコミンテルン/ユーゴスラビアの
     「破門」と人民民主主義の抹殺

  三、東欧諸国の抵抗とソ連による弾圧
     「ポーランドの十月革命」/「ハンガリー十月革命」とハンガリー
     事件/チェコ五ヵ国軍隊侵入事件/八一年のポーランド事件

  四、「ソ連型社会主義」の崩壊
     東欧革命/東欧革命の真の原因

 

第一六講 ユーゴの自主管理社会主義とその崩壊 ①

  一、ユーゴの社会主義を論じる意義

  二、バルチザン戦争から誕生した自主管理
     六つの共和国、五つの民族、一つの国家/バルチザン戦争から誕生
     した自主管理

  三、自主管理社会主義
     「ソ連型社会主義」のアンチテーゼとしての自主管理と非同盟/経
     済的アソシエーションとしての自主管理/社会主義的な計画経済と
     市場経済の統一/本来の「プロ執権」としての自主管理/自主管理
     社会主義の理念と現実

  四、自主管理の歴史
     人民が主人公/自主管理社会主義の基本型の完成/自主管理の総決
     算としての「七四年憲法体制」

  五、ユーゴの崩壊
     「経済危機」による共和国間の対立/自由選挙による民族政党の勝
     利/ユーゴ連邦の解体

 

第一七講 ユーゴの自主管理社会主義とその崩壊 ②

  一、自主管理社会主義の成果と八〇年代の「経済危機」
     自主管理の成果/八〇年代の「経済危機」

  二、社会主義的な計画経済をめぐる矛盾
     下からの計画と上からの計画の矛盾/社会主義的な計画経済と市場
     経済との矛盾

  三、生産手段の社会化をめぐる矛盾
     生産者と消費者の矛盾/個と普遍の矛盾

  四、「プロ執権」をめぐる矛盾
     「七四年憲法体制」と「プロ執権」/連邦の党と共和国の党との矛
     盾/党と人民との矛盾

  五、真理は対立物の統一に

 

第一八講 「社会主義をめざす」諸国の社会主義

  一、「社会主義をめざす」諸国とは何か

  二、中国の「社会主義」

  三、ベトナムの「社会主義」

  四、キューバの「社会主義」
     中南米に広がるキューバの影響/キューバ社会主義の体制的優位性
     はどこにあるか

  五、社会主義の実現に科学的社会主義の政党は不可欠か

 

第一九講 日本共産党の社会主義論

  一、自主的な社会主義論の探究
     真理探究の歴史と伝統/民主主義革命の意義

  二、生産手段の社会化
     生産力の社会化/生産手段の社会化は生産力の発展をもたらしえな
     いか/生産関係の社会化

  三、社会主義的な計画経済
     計画経済と市場経済の統一/上からの計画と下からの計画の統一

  四、「プロ執権」論
     民主共和制のもとでの「国民が主人公」の社会/直接民主主義と間
     接民主主義の統一/日本共産党の主導性

  五、まとめ

 

第二〇講 二一世紀の社会主義を考える

  一、社会主義の三つの基準への反省
     三つの基準は定式化されたものではない/二〇世紀の社会主義の実
     験をふまえた社会主義の真にあるべき姿

  二、二一世紀の科学的社会主義を考える
     科学的社会主義は真理探究の学説/科学的社会主義は自由と民主主
     義をその本質的構成要素とする

  三、社会主義の三つの基準は真のヒューマニズムの社会実現の手段

  四、日本共産党の社会主義論の真理性

  五、二一世紀の社会主義
     理念をかかげてのたたかいのみが社会を発展させる/「資本主義限
     界論」と二一世紀の社会主義

 

まとめにかえて