● 聴 講(①56:17、②24:33、③20:13)

 

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第17講 ユーゴの自主管理社会主義と
     その崩壊 ②

 

自主管理社会主義の最初の24年は、
生産力の発展の問題でも、人民が主人公の面でも大きな成果を上げた。
しかし「下からの社会主義」の一面性が、
70年代後半からの社会主義建設に次第に深い影をもたらす。

まず①計画経済の問題では、
計画作成における下から上への原則は、
国家的見地に立った生産・分配・投資計画の樹立を困難に。
そのため市場経済を導入しながら、格差是正の計画経済が貫徹せず。
②生産手段の社会化の問題では、生産者は同時に消費者であるところから、
経営の安定よりも生活優先で、企業の赤字を累積することに。
③「執権論」では、共産党の主導性が後景に引き、
連邦統一国家から6共和国主体の「緩い連邦制」に。
各共和国の独自の動きが、共和国間の経済格差をさらに拡大。

ユーゴの教訓は、真理は対立物の統一にあることを示している。
「上からの社会主義」も、「下からの社会主義」も
いずれも一面的であり、真理は両者の統一にある。