講座の紹介

 

ヘーゲル
「精神現象学」
に学ぶ

全15講

受講テキスト:『世界の大思想⑫
        ヘーゲル 精神現象学』
       (河出書房新社)

 

本講座は同タイトルで
2015年9月25日に出版されました。

 

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2013年10月から全15講が行われた本講座の説明として、高村氏の「開講言」を転載します。

 

ヘーゲル哲学の「真の誕生地』である「精神現象学』を
科学的社会主義の立場から学ぶ

県労学協の新哲学講座として、2013年10月26日から月1回、全15回で「ヘーゲル『精神現象学』に学ぶ」を開講することになりました。

ヘーゲル哲学の真の誕生地

『精神現象学』(以下『現象学』)はヘーゲルの最初の著作であると同時に、ヘーゲルの代表作の1 つでもあります。マルクスはヘーゲル左派から出発しながら、ヘーゲルを乗り越えて科学的社会主義を確立しましたが、『現象学』を「ヘーゲル哲学の真の誕生地でありその秘密である」(「経済学・哲学手稿」)と評しています。科学的社会主義がヘーゲルから学ぶべき最大の問題が弁証法にあることはいうまでもありません。したがって『現象学』を何よりもヘーゲル弁証法の「真の誕生地」として、その初々しい姿を学ぶことが大きな目標となってきます。

「精神」とは

近代哲学の父・デカルトは「われ思う、ゆえにわれあり」の命題で有名ですが、彼は脳(物質)と意識(精神) は全く別物だとする二元論を打ち出しました。現在の脳科学では脳が精神を生み出すと考えられていますが、それでも脳と「意識」「自由意志「自己意識」との関係は未解明の「ハード・プロブレム」となっています。『現象学』は1807年に出版されたものですが、そこで「意識」「自己意識」などを扱っており、哲学と最新の脳科学との接点考えてみるのも興味ある課題となっています。

ヘーゲル哲学の発展

ヘーゲルは当初『現象学』を「学の体系第一部」して位置付けていましたが、途中でその考えを放棄してしまいます。その哲学体系の変更のうちに、ヘーゲル哲学の発展があったと思われますが、それいったい何だったのかの謎解きも、また興味をそそられるところです。

未知への挑戦

今回の哲学講座も、前回の「哲学史」と同様「未知への挑戦」となります。こうした問題意識を持ちながら、講師も皆さんと一緒に学んでいきたいと思ます。多数の参加をお待ちしています。