● 聴 講(①41:57、②40:51、③22:16)

 

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第6講 人格と個人の尊厳

 

所有物たる物件には質と量がある。
質とは「有用性」であり、量とは「物件の価値」であり、
それは物件の中に含まれる「事物の共通性」である。

ここには『資本論』と瓜二つの思想がある。

「私」という人格は、無限に発展し、
無限に自由になっていく最高のものであり、
人間の尊厳を形作るものとして譲渡しえない。

したがって「労働を通じて具体的な私の全時間と私の生産物の総体を
外に譲渡する」ことは、人格を放棄して奴隷になることである。

許されるのは、私の「個々の諸生産物と時間上制限された使用とを、
他人に譲渡する」ことだけである。

人格は精神と肉体との統一としての生命のうえに存在するから、
その生命を放棄することは人格の放棄として許されない。

また私が私の肉体を売るのは、
肉体と精神の統一としての人格を丸ごと売り渡すものであるから、
これもまた許されない