● 聴 講(①36:00、②43:29、③26:47)

 

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第11講 倫理

 

「第3部 倫理」

倫理において、自由は、
主体としての個人と真にあるべき社会共同体との関係において
論じられることになる。

したがって「倫理とは生きている善としての自由の理念」であり、
「現存世界となるとともに自己意識の本性となった、自由の概念である」。

倫理とは、真にあるべき共同体であり、
それは自由の個別態としての「家族」、
特殊態としての「市民社会」(経済社会)、
普遍態としての「国家」からなる。

真にあるべき倫理的共同体において、
個々の主体と共同体とは、一体の関係にある。
個々の主体は自由を現実のものにするために共同体に対し倫理的義務を負う。

すなわち「個人は義務においてむしろおのれの解放を手に入れるのである」。

個人は倫理的義務をつうじて、
共同体の精神としての「習俗(習慣)」を身につけることにより、
共同体と一体化しうることになる。

個々の主体は、倫理的実体(共同体)と同一になることによって
真に自由な人格となり、人間の尊厳を確立する。
「最高の共同性は、最高の自由である」。