講座の紹介

 

ヘーゲル
「小論理学」に学ぶ

全20講

受講テキスト:『小論理学』
       (松村一人訳、岩波文庫 )

 

本講座は『弁証法とは何か』のタイトルで
2007年に書籍化されています。

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2006年6月から2007年3月まで全20講が行われた本講座の紹介として、開講にあたっての講師からの呼びかけ文を転載します。


いま一度、ヘーゲル『小論理学』に学ぶ

3度目の『小論理学』ゼミ

今回3度目のヘーゲル『小論理学』の哲学講座を開催することにしました。
ヘーゲルの弁証法的論理学の真髄を学びとり、しかもそれをだれにでも分かる講義にしたいとの思いで企画しました。
これまで広島県労働者学習協議会の「哲学講座」で、94年と96年の2回、いずれも全40回、2年間にわたる講義をおこない、2度目の講義は『ヘーゲル「小論理学」を読む』(学習の友社)として出版されました。
それにもかかわらず、あえて3度目に挑戦するのには、それなりの理由があります。

● コンパクトに「小論理学」のエッセンスをまとめる
1つには、『ヘーゲル「小論理学」を読む』は数年前に初刷完売となったにもかかわらず、いまだに頻回の電話注文が入ることです。
この要請に応えるにはこれを増刷しても良いのですが、なにしろ上下2冊1100ページにも及ぶ大著のため、時間に追われる労働者が読み解くには荷が重いものです。
そこでもう少しコンパクトなものに圧縮するため、全20回の講義にまとめることにしました。

● ヘーゲル哲学の真髄を骨太く
2つには、今ならもう少し的を絞って、ヘーゲル哲学の真髄を骨太くお話しできるのではないかとの思いがあります。『ヘーゲル「小論理学」を読む』出版後、『レーニン「哲学ノート」に学ぶ』(学習の友社)、『ヘーゲル「法の哲学」に学ぶ』(一粒の麦社)、『「資本論」の弁証法』(今秋、一粒の麦社より出版予定)など、弁証法の探究を続けてきました。
これらの成果のうえにたって、「今ならヘーゲル弁証法の真髄をもっと分かりやすく講義できるのではないか」との自信めいたものも生まれてきました。とりわけ、マルクスが『資本論』で用いた弁証法をできるだけ引用しながら、ヘーゲル弁証法を唯物論的に語りたいと思っています。ライフワークともいうべき、ヘーゲル研究の総まとめとしての講義に挑戦してみようというものです。

● だれにでもわかる「ヘーゲル」を
3つには、真髄をつかむことによって、だれにでもわかる「ヘーゲル」を講義することができるのではないかと考えたからです。ヘーゲル哲学は、人類の社会科学や哲学に関する知的遺産のなかでも、もっとも難解な古典の一つと言って間違いないでしょう。
しかし、その難解さにも関わらず、そこには最も深遠にして、かつ真理に接近する哲学が隠されているのです。
ヘーゲル哲学は、科学的社会主義の学説の源泉の一つとなっています。それだけに汲めども汲みつくせない真理の泉に挑戦することが求められているのです。

今回の講座の特徴

今回の講座も、6時30分から9時までとし、講義90分、討論40分、感想・質問20分の大枠ですすめていこうと思っています。
前2回に比べての今回の特徴は、『小論理学』の第1節から243節までの全部を講義しようというところにあります。これまで「序論」(第1節から18節)、「予備概念」(第19節から83節)までは省略し、本論ともいうべき、「有論」「本質論」「概念論」のみをお話ししてきたのですが、今回は、その全部を対象にしようというものです。
いわば講義の対象は広がったにもかかわらす、講義回数は半分になるわけです。それでだれにでもわかる講義にしようというのですから、講師の側からすると大変な苦労を強いられそうですが、あえてそれに挑戦するつもりです。

ぜひ多数の皆さんが受講されることを期待してやみません。