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『弁証法とは何か』

本講座をもとにした『弁証法とは何か』は、音声ファイルを聞きながら20の講義と連動した章立てでお読みいただくことはもちろん、単体の書籍としての通読も可能です 。

以下のもくじのリンクから、それぞれのページをお読みください。

 

<も く じ>

序 文

第一講 ヘーゲル哲学とは何か

   一、はじめに
      講義の目標 /なぜ再び『小論理学』か

   二、ヘーゲル哲学の本質
      ヘーゲル哲学の二面性/ヘーゲル哲学の本質は革命性/『小論理
      学』を学ぶ姿勢

   三、序論
      哲学とは何か/哲学の最高の究極目的は理想と現実の統一/経験
      論の意義と限界/人間は絶対的真理を認識しうるか/いかにして
      絶対的真理に接近するのか(直接性と媒介性の統一)/哲学の歴
      史と哲学の体系

第二講 予備概念 ①

   一、「予備概念」とは何か 
      はじめに/「予備概念」の主題と構成

   二、論理学(哲学)とは何か
      純粋な理念にかんする学/思惟とは何か/思惟は事物を改造し、
      真理に到達する/客観的思想/真理とは何か/真理認識の諸形式
      /客観にたいして思惟のとる態度

   三、「A 客観にたいする思想の第一の態度」
      哲学史とヘーゲル哲学/「古い形而上学」/古い形而上学は一面
      的に規定する /魂、世界、神は一面的規定ではとらえきれない/
      古い形而上学は「理性的対象の単に悟性的考察」/古い形而上学
      は「ドグマティズム」

第三講 予備概念 ②

   一、「B 客観にたいする思想の第二の態度」
      経験論とカント哲学/「経験論」とは何か/経験論の批判

   二、「批判哲学」(カント哲学)の批判①
      カントとフランス革命/「批判哲学」の批判序論/『純粋理性批
      判』の批判/カントの「物自体」/カントの「アンチノミー」批
      判/カントにおける「概念と存在の合一」の否定

第四講 予備概念 ③

   一、「批判哲学」(カント哲学)の批判②
      『実践理性批判』の批判/『判断力批判』の批判/カント批判の
      まとめ

   二、「C 客観にたいする第三の態度」
      ヤコービの「直接知」/ヤコービ批判/直接性と媒介性の統一

   三、「客観にたいする思想の態度」のまとめ
      哲学の課題は真理の認識/絶対的真理に対する三つの態度への批
      判

   四、「論理学のより立ち入った概念と区別」
      ヘーゲル弁証法の構成/悟性的側面/弁証法的側面あるいは否定
      的理性の側面/思弁的側面あるいは肯定的理性の側面/論理学の
      構成

第五講 有論 ①

   一、有論の主題と構成
      有論の主題/有論の構成

   二、「A 質」
      「A 質」の主題と構成/「a 有」/有と無の弁証法

   三、「b 定有」
      定有は弁証法の成果の最初の実例/定有は質をもつ有/或るもの
      と他のものの弁証法/有限と無限の弁証法

   四、「c 向自有」
      向自有は真無限の有/向自有は自我/向自有は一者/質から量へ
      の移行

第六講 有論 ②

   一、「B 量」
      量の主題と構成/「a 純量」/連続量と非連続量/「b 定量」
      /「c 度」/内包量と外延量/比

   二、「C 限度」
      度量の結節点/限度から本質へ

第七講 本質論 ①

   一、本質論の主題と構成

   二、「A 現存在の根拠としての本質」
      本質とは何か/最高のヴェーゼン/本質における同一と区別

   三、「a 純粋な反省規定」
      「イ 同一性」/抽象的同一性と具体的同一性

第八講 本質論 ②

   一、「ロ 区別」
      弁証法の核心は対立物の統一/区別とは何か/差異/差異から対
      立へ/対立は矛盾/矛盾/本質は根拠である

   二、「ハ 根拠」

第九講 本質論 ③

   一、「b 現存在」
      現存在とは何か/「現存在するもの」は「物」

   二、「c 物」
      物は諸性質をもつ/諸性質は独立して質料となる/質料と形式

   三、「B 現象」
     現象とは何か/「a 現象の世界」/現象の世界とイデア界

第一〇講 本質論 ④

   一、「b 内容と形式」
      「内容と形式」は物質とその運動/現象の法則/内容と形式

   二、「c 相関」
      現象の世界は相関の世界/全体と部分/力とは何か/力とその発
      現/内的なものと外的なもの

第一一講 本質論 ⑤

   一、「C 現実性」
      「現実性」の主題と構成/現実性とは何か/理想と現実の統一/
      現実性とはエネルゲイアとしてのイデア

   二、可能性、偶然性、必然性
      可能性(抽象的可能性)/偶然性/条件と事柄/具体的可能性/
      必然性とは何か/必然性の三つのモメント/偶然と必然の統一/
      外的必然性から内的必然性(絶対的相関)へ/「現実性」総論の
      まとめ

第一二講 本質論 ⑥

   一、「a 実体性の相関」
      実体とは何か/ヘーゲルの実体論/実体性の相関

   二、「b 因果性の相関」
      人間の活動が因果性の試金石/因果性の相関

   三、「c 交互作用」
      客観世界の認識は「有」にはじまり「交互作用」で終わる/必然
      の法則=弁証法/交互作用/交互作用の不十分さ/交互作用から
      概念論へ

   四、本質論から概念論へ
      必然の真理は自由、実体の真理は概念/自由と必然/概念は有お
      よび本質の真理

第一三講 概念論 ①

   一、概念論の主題と構成
      概念論の主題/概念論の構成

   二、「概念論」総論
      概念論はなぜ分かりにくいのか/概念とは何か/概念は発展する
      /概念の諸形式は「現実的なものの生きた精神」

   三、「A 主観的概念」
      主観的概念とは何か/「a 概念そのもの」/具体的普遍とは何か
      /概念の発生/概念は具体的/概念から判断へ

第一四講 概念論 ②

   一、「b 判断」
      概念、判断、推理の諸形式は真理をとらえる/概念の二つの意味
      と判断の二つの意味/判断論の構成

   二、「判断」総論
      判断とは何か/判断とは「概念的把握」/「あらゆる事物は判断」
      /主語と述語の弁証法/判断の進展

   三、「判断」各論
      「イ 質的判断」/「ロ 反省の判断」/「ハ 必然性の判断」/「ニ
      概念の判断」

第一五講 概念論 ③

   一、「c 推理」

   二、「推理」総論
      推理は概念と判断の統一/悟性的推理と理性的推理

   三、「推理」各論
      「イ 質的推理」/三重の推理への進展/「ロ 反省の推理」/
      「ハ 必然性の推理」/概念の推理

第一六講 概念論 ④

   一、主観と客観
      主観と客観/二元論は真理ではない/主観から客観への移行/客
      観は概念の実現/概念の客観性への移行

   二、「B 客観」総論
      主観と客観の弁証法/機械的関係、化学的関係、目的的関係

第一七講 概念論 ⑤

   一、「B 客観」各論
      機械論と目的論/機械論と目的論の歴史的展開

   二、「a 機械的関係」
      形式的な機械的関係/親和的な機械的関係/絶対的機械関係

   三、「b 化学的関係」
      定有と概念との矛盾/化学的関係とは何か/概念の顕在化として
      の目的的関係

   四、「c 目的的関係」
      目的的関係とは何か/内的目的と外的目的/外的目的性/目的と
      手段/目的から理念への移行

第一八講 概念論 ⑥

   一、「C 理念」

   二、「理念」総論
      理念は絶対的な真理/理念は主体/理念は弁証法/理念は過程

   三、「理念」各論
      「a 生命」/生命の三つの過程/「b 認識」総論

第一九講 概念論 ⑦

   一、「b 認識」総論(つづき)

   二、「イ 認識」
      概念が「導きの糸」/分析的方法/総合的方法/分析と総合の意
      義と限界/認識から意志へ

   三、「ロ 意志」

   四、「c 絶対的理念」
      絶対的理念とは何か/弁証法的方法

第二〇講 ヘーゲル哲学から何を学ぶか

   科学的社会主義の源泉としてのヘーゲル/弁証法/唯物論的一元論/変
   革の立場/当為の真理/理想と現実の統一/ヘーゲルの再評価へ

あとがきにかえて

 

 

本書の利用にあたって

一、本書は松村一人訳『小論理学』(岩波文庫)をテキストとして使用してお
  り、同書からの引用は、節のみを記載した。
一、マルクス・エンゲルス、レーニン全集からの引用は原則として大月全集版
  により、マルクス・エンゲルス全集はただ「全集」と略記した。読者の学
  習の便宜のため古典選書版(新日本出版社)があるも のはそのページ数
  も併記した。
一、『資本論』からの引用は社会科学研究所監修、資本論翻訳委員会訳(新日
  本出版社、新書版全一三冊)による。原書ページも併記した。
一、文中、「同上書、同ページ」は単に「同」と略記し、「同上書二一ページ」
  は単に「同二一ページ」 と略記した。